【KIA-東経大連携協働企画】東経大生による、地元外国人インタビュー

1012()19()2回にわたり、東経大の学生さんがKIAの日本語〈水曜・夜〉教室を訪れ、外国人学習者へのインタビューを実施しました。

インタビュアーは東経大の有山さんと内山さん。インタビューに応じてくれたのはそれぞれセンさん(中国)とタイさん(ベトナム)で、日ごろの日本語学習の成果を生かし、インタビューは日本語で行いました。

 

それぞれの国の学生生活、仕事や食べ物の話、日本の生活など、学生さんが興味を持っていることを問いかけ、世代も比較的近いこともあってか、話は大いにはずみました。答えるセンさん、タイさんも時にはどのように日本語で表現したら良いか考えながらも、楽しそうに話をしていました。

 


大学生による日本語学習者インタビュー

 本記事は、国分寺市国際協会(KIA)で日本語を学習している方に焦点を当てて、現役大学生の学生記者が紹介する企画です。

 

 

 国分寺市国際協会と東京経済大学のコラボレーションの一環として、本協会の夜間日本語教室で日本語を学んでいる学習者に東京経済大学の学生記者2名(経営学部3年有山、経営学部4年内田)がインタビューしました。

 

 

【第1回】 大学生が日本語学習者にインタビュー:セン・ジンウェンさん(中国)

 

第1回は中国出身の線婧雯(セン ジンウェン)さんと、国分寺市国際協会のボランティアで担当スタッフの廣田(ひろた)さんです。

 

―2022年9月に大学院の修士課程を修了し、来年は日本の企業に入社予定です。今はその準備に取り組んでいます。

 

有山:大学院ではどのような研究をしていましたか。

センさん:機械学習を用いて、ウイルスのタンパク質変異の研究をしていました。授業は日本語、論文は英語と、多言語を用いて取り組んでいました。AI分野の企業へ入社する予定です。

 

―2018年に来日とのことでした。

 

有山:きっかけはどのようなものでしたか。

センさん:中国の大学で、タンパク質の分野を専攻・研究していました。論文を見ていたところ、この分野を研究している日本の先生に興味を持ったのがきっかけです。

 

―流ちょうに話すセンさん。

 

有山  :本協会の日本語教室に参加するまでは、日本語学習にどう取り組んでいましたか。また、この教室に参加したいきさつを聞かせてください。

センさん:現在もですが、教科書、日本語試験受験のための勉強、テレビ(ドラマなど)、動画サイトを通して取り組んでいますが、まだまだ勉強すべき点が多いです。文法に対する難しさを感じなかった一方で、教科書のような日本語を多くの話し言葉として使っていないとよく感じることがあります。大学院の友人をはじめ、同じ研究室にいたタイやインドの方々が、日本語だけでなく英語も助けてくれました。この日本語教室はインターネットで調べて知りました。日本語の練習ができるため、参加するようになりました。

 

―AI系の企業に就職が決まったセンさん。中国と日本の就職活動の違いがあるか尋ねました。

 

有山:センさんは中国と日本の就職活動を知っています。両国の違いやそれぞれの特徴

を教えてください。

センさん:中国では、大学や大学院を卒業してから就職活動を始めます。そのため、在学中に就職活動を行うための授業を履修する必要があります。また、選考は数百人単位の規模から数人に絞られていきます。特に、公務員は非常に優秀な成績を修めている人ではないと困難ですし、ライバルも多くいます。日本でいう、国家公務員と同じような状況だと思います。これらを考えると、日本の就職活動の動きの方が良いと感じます。

 

 ―最後に、担当スタッフの廣田(ひろた)さんに日本語教室の活動について伺いました。ボランティアのスタッフとして、30年も活動をされていると聞きました。

 

有山:センさんとはどのくらいの期間、学習活動をしていますか。

廣田さん:初めて会ってから3ヶ月ほど経ちました。今回、インタビューでのやり取りを間近で見て、非常に力がついていると感じ、驚きです。

 

有山:30年間を通して、印象的だったことはありますか。

廣田さん:沢山あります。多くの外国の方と話をしたり、時々悩みの相談を受けたり。母国へ帰国してもやり取りを重ね、家族を連れて来日した時は案内をすることもありました。2011年に起きた東日本大震災の時には、安否確認の連絡も多く届きました。中には、かつて受け持った方から「良かったら僕のもとへおいでよ」と連絡をくれたこともありました。楽しい思い出が沢山できました。

 

(東京経済大学広報課 学生記者 有山詩織・内田充俊 )

 

*この取り組みは2022年度東京経済大学地域連携センター「国分寺周辺地域活動費」の助成を受けて行われました。


 【第2回】大学生が日本語学習者にインタビュー:リ・ヴァン・タイさん(ベトナム)

 

 第2回はベトナム出身のリ・ヴァン・タイさんと、国分寺市国際協会担当スタッフの藤本さんです。タイさんは来日後2022年6月からKIAの日本語教室に参加しています。 

内田  :大学院ではどのような研究をしていたのですか。

タイさん:大学では電気・電子を専攻していました。現在は、東京スカイツリーや日本銀行などの電気システムを担当する仕事をしています。

 

内田  :休日はどのように過ごしていますか。

タイさん:休日は日本語の勉強をしています。疲れて眠ってしまって1日を過ごしてしまう事もあります。

 

―まだ訪日して4ヶ月だが、流暢な日本語を操り笑顔でインタビューに答えてくれました。

 

日本に来て、食事や観光地などの印象はどうだったのでしょうか。

 

内田  :日本で印象的な食べ物はありましたか。例えば、納豆は苦手な方が多い印象です。

タイさん:納豆は、美味しく食べています。一方で、お寿司や生卵など、生ものはベトナムでも食べる習慣がなかったので怖くて食べられません。

 

内田  :日本で行ってみたい観光地はありますか。

タイさん:京都に行ってみたいです。清水寺や金閣寺を観光してみたいと思っています。

普段は東京で、スカイツリーや浅草に仕事で行っていますが、観光の余裕はないのでゆっくり観光したいです。

 

―最後に担当スタッフの藤本さんに、日本語教室の活動について伺いました。ボランティアスタッフとして参加される前は、タイの大学に勤務、現在は日本の大学で教鞭をとっています。

 

内田  :タイさんとはどのようなお話をしていますか。

藤本さん:テキストの内容に沿って医療機関に受診する時の日本語を勉強したり、雑談では漫画ワンピースなどの話をしたりしています。タイさんは飲み込みが早く、これからの成長も楽しみです。

 

(東京経済大学広報課 学生記者 内田充俊 ・ 有山詩織)

 

*この取り組みは2022年度東京経済大学地域連携センター「国分寺周辺地域活動費」の助成を受けて行われました。

 


【KIA-東経大連携共同企画】KIA(国分寺市国際協会)と東京経済大学(国分寺市南町)は、KIAの創立以来、歴代の会長職に東経大の教員の方に就いていただくなど、緊密な協力関係を築いてきています。この流れを受け、今年度は、KIAのこれからの活性化に向け、若者世代である東経大の学生の皆さんにKIAのことをより知っていただくなど、連携・協力関係をいっそう深める取り組みをスタートさせました。